2025年2月22日に行われた第13回日本泌尿器病理研究会にて、軸屋良介先生の「腎癌病理の多様性と精密医療の実現に向けた層別化法の開発」という演題が、30以上の演題の中から奨励賞(最優秀賞)を受賞しました。
腎癌の組織型はとても多様で、2004年のWHO分類では12種類でしたが、2016年には16種類に、2022年には21種類と、改訂のたびに分類が増えております。これらの組織型をすべて正しく分類するためには、腎癌専門病理医の卓越した診断技術に加えて、特殊な免疫染色やFISHが必要であり、全国における病理診断の均てん化は今後も難航することが想定されます。今回、軸屋先生は、希少組織型の腎癌の発現プロファイルに基づくクラスタリングが、病理診断の補助的な診断モダリティーとなることを発見しました。このアルゴリズムが臨床実装されれば、外科療法や薬物療法が最適化され、根拠が判然としない術後のフォローアップ間隔やランダムな薬剤選択などの、腎癌診療における最大のアンメットメディカルニーズが解決される可能性があります。軸屋先生、誠におめでとうございます。